VAQ (Variance-based Adaptive QP) の趣旨は「のっぺりしたところからビットレートを取り上げてファイルサイズを減らしましょう」で、 HAQ (Haali Adaptive QP)は「(x264の尺度で)同じ平坦に見えても、暗い部分はブロックが目立つので、逆にビットレートを割きましょう」と、実は 目的がかなり違う。
VAQでもHAQでも問題になっているのは、
QPを調整する対象ブロックを選ぶ尺度が、まだ人間の感覚と一致していないこと。暗部のブロック感を抑えようとするとQP調整の対象を広げることになって、全体を低いQPでエンコするのと変わらなくなったりする。
⇒ seraphy氏による詳しい解説
そこでseraphy氏は、QPの調整対象を自己流の尺度で選ぶようにした「OreAQ」を開発。
⇒ ここの「x264OreAQ.***.release**.rar」がコンパイル済の実行ファイル。
Charlieも早速使ってみた。
...
真っ黒に近い部分はM.Darkと認識されてしまってQP Upの対象になったっぽい。Dark / M.Dark の閾値はソースコードに固定で書き込まれているので、パラメータ調整での改善はできない。 この辺は今後、視覚的な損失をもっと減らすようにアルゴリズムの改良が なされていくのかもしれない。
まとめとしては、 そこそこ画質でサイズも減らせるということで十分使える状態だと思う。 ファイルサイズが大きめになっても何が何でも画質にこだわる人は HAQの方がいいかも。
2008-04-20追記
アナログキャプチャで暗部にノイズが乗っているソースだと、OreAQよりSharktooth版の方がビットレートを抑えつつブロック感を減らせるようだ。OreAQの説明にも、十分きれいなソースを前提としている、って書いてあるのでソースによって使い分けするとよいだろう。
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