2007/12/18

パーマリンク 03:14:53, 著者: Charlie

ウェブ屋 - 17色ねじり棒の仕事

中世ヨーロッパでは理髪師は外科などの医療業務も行っていたようで、 その名残が理髪店の赤青白のくるくる回る「三色ねじり棒」だそうです。
散発屋さんの店の前にある 赤と青の斜めストライプでくるくる回ってる物はなんという名前ですか?また、どういう意味があるのですが? @ Yahoo!知恵袋

三色ねじり棒
Photographer
Lab2112
License
Creative Commons (by-nc-nd)
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床屋は時代と共に仕事の内容が減ったわけですが、 Web屋さんは逆に仕事の内容が増えてきているようですね。

...

Web黎明期のWebページと言えば、静的なHTMLで作った電子パンフレットが多かったものです。ですから、掲載する内容は顧客が持ち込んで、レイアウトを考えるのとHTMLやロゴ・ボタンの画像を作るのがWeb屋の仕事でした。

ところが時代が変わって、日常のPC作業の大半はブラウザ経由になってきています。
オンライン・ショッピングが普及して、Web屋さんは動的コンテンツを扱うようになりました。 社内で使うアプリケーションもサイボウズのようにブラウザをインタフェースに使うようになり、 MUA(Mail User Agent、所謂「メーラー」)もWebメールが作られました。
今どきの「Web屋」は、ブラウザをUIに使うサービス・アプリケーションの作成全般に業務範囲が及ぶことになったわけです。


Charlieがデザイン屋さんと仕事を始めて初めて知ったのが、Web屋さん用語の「ディレクション」「デザイン」「コーディング」といった作業の分類です。 出力(納品物)を見ると違いが分かりやすいようです。

ディレクション」の出力は、ソフトウェアで言ったらSRS(要件定義書)みたいなもの。 顧客にヒアリングをして業務要件を聞き出し、デザイナやコーダが理解できる表現に変換していきます。

デザイン」の出力は「絵」。 サイトやサービスに要求されている機能に基づいてページ構成や動線を考案する作業、 ページの中の入出力の要求に基づいてページ内のレイアウトを行う作業、 ロゴやボタンなど個別の要素を作成する作業など。 一括りにデザインと呼ばれていますが、よく確認しないと「ページ構成のカンプのみで、レイアウト作業は別途」「ロゴやボタンのデザインは別途」だったりするのです。

コーディング」の出力はHTML&CSSやFlashのファイル。

うちの会社はWeb屋ではなく、Webアプリも作っているソリューション・プロバイダ(のつもり)なのですが、 web制作屋は、一体どのスキルを持っていれば即戦力なのか?17の作業に分解 @ ホームページを作る人のネタ帳 を参考にしながら、うちの会社の得手不得手を再確認してみようと思います。そのうち整理して会社のサイトに掲載したいな。


※タイトルの「17色」は17の作業を表したもののつもりだったのですが、床屋の3色は別に作業が3つあるという意味ではないですな。

営業
今まではほとんど口コミです。 2年前までは、内部利用のシステムの開発が多かったためアピールが難しかったのですが、「ありくい」のおかげでかなり楽になりました。
この間の人件費を、なぜかあまり考えない会社もかなり多く見てきましたが、忘れてはいけない部分です。 (ネタ帳より、以下同様)
私の来年の目標の一つは、顧客メリットを明快にアピールすることです。「ありくい」は、口コミで紹介していただいた潜在顧客に総合的な開発力をアピールできますが、その方の抱えている問題に対する解答そのものではないのがネックです。 具体的に問題と提案をたくさん例示するとかして、身近なメリットを把握しやすくしたいです。
折衝、仕様打ち合わせ
これもCharlieの分担になっています。ただ、一人で並行で3つも4つも掛け持つと、前準備(資料を作成したり、問答を想定したり)と後処理(議事録の作成や社内への報告)だけで一杯一杯になるので、メールや電話で済むときはなるべくそれらで済ませ(メールなら、議事録の作成も軽減できます)、打ち合わせには別のスタッフを同行させ(議事録作成と社内への報告の負荷分散)、社内での仕様決定やアイディアはその場でWikiに書き込んでおいて社外資料の元にしたり、社内と顧客で情報を蓄積共有するためのサイトをプロジェクトごとに立ち上げたりしています。開発スタッフに関しては、スタッフ総数=トラックナンバとするのが究極の目標です。
サイトの方向性とコンテンツを決める
ディレクション。うちの会社だけではマーケティングのノウハウが十分でなく、旬のコンテンツなどを提案できません。課題と言えるでしょう。
デザインカンプ、トップページデザイン
知り合いのデザイン会社に協力してもらっています。
使用する画像の加工、ロゴの加工と生成
この作業もデザイン会社にお願いしています。
ユーザビリティ構成
デザイン会社に意見をお願いすることもあるし、社内でも古典的なUIガイドラインに沿った判断は行っています。ボタンのラベルは「Ok」「キャンセル」じゃなくて動作を書くべきとか、メッセージの選定とか。
HTML・CSS
大本はデザイン会社にお願いしています。微調整は社内で作業することが多いです。
文章の作成
キャッチーな文言・読みやすい文章を考えるライタがおります。 正確さの考証、SEO観点での推敲は開発スタッフなども交えて行っています。
コンテンツ作成
会社の業務としてコンテンツ作成を依頼されたことはまだありません。 個人的には写真・ビデオの撮影と編集くらいはできます。 そういえば、D3輪講の投影資料はFlashで作ったような覚えが(一般的にはPowerPointで、Charlieも通常はそうです。多分よほど暇だったのでしょう)。
独自プログラムの作成
うちの開発スタッフは、もともとこれを得意としています。
プログラムを実行するためのwebデザイン
動的なコンテンツの場合、テンプレートに該当する部分をデザイン会社に作っていただきます。
オープンソースの活用
うちの会社の弱点。 使い方を覚えた後はとことん効率的に使えるのですが、 引き出しが少な過ぎて、車輪の再発明が多いと思います。 情報の収集量も共有の仕方も改善していきたいと考えています。
わからないことを解決する力
社内ではCharlieが担当することが多いです。 ぐぐるだけでなく、知り合いに質問することもあります。
商品のレビューと商品クロージング
物が出来上がるまで出てこない(& 報告を聞かない)顧客側の偉いさん、というのもたまにあります。経緯を知らないで納品物だけ見た時に、当初の要望と違うというクレームが出ることは想定しており、そんな時のために議事録や仕様書は「決まったこと」だけでなく、経緯や理由を漏らさず書くように努めています。
公開後の集客支援
awstatsのようなサーバに仕込むものから、GoogleやYahoo!のサイト管理者向けツールまで統計の取り方の提案、分析、改善の提案までこなします。
…というアピールが今まで足りなかった気がします。後付けで依頼されたりしていますから、ニーズはあったのに対応できていなかったと思います。
公開後のCMS活用指南
納品後に顧客が自力でコンテンツを変更したいという要求は、コストの観点でよくある話です。車に例えると、Web屋は車を手配するディーラの仕事までで、運転手の仕事は不要だということですね。 ただ、車の場合は実地と法規の試験があるので最低限必要なノウハウは持っていることが期待できますが、Webコンテンツの変更はノウハウを持たない人でも作業できてしまうことが問題になる場合があります。
法律的な問題も教えておかなければなりません。 mixi感覚でページを増やす人も居ますし、著作権を侵害する人もいます。 こうした問題も、ネット初心者が企業CMSをいじる事がありますので、しっかり解決しておかなければならないと思います。
うちの会社であれば、「パンフレットの作成やクレームへの回答と同じ体制で内容をチェックする」ことを提案して、可能ならばシステムもそれに対応させた仕様にするでしょう。

こうして見ると、アピールしていないだけで結構アドバンテージがありそうです。 > KYA group


「ネタ帳」では最後にこう言っています。

どのスキルがあれば即戦力なのかを考えた場合、求人する企業の規模によって変わりますが、コミュニケーション能力だと思います。

Web屋さんになりたい人へのアドバイスになっていますが、 会社全体にも言えることですね。
とりあえずうちの場合は、何をしている会社なのか分かりやすくすることから着手しますわ。

17色…には足りない
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andreakw
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